砂や土を同じ場所で静かに落としてやると、やがて山になって斜面ができます。その斜面の角度を安息角といいます。安息角の大きさは、土の粒同士の摩擦力や粘着力によって変化します。ねばりのある土ではたやすく高い山ができます。ビー玉やパチンコの玉では山はできません。
 震動を加えると安息角は変わり、山はなだらかになって、ゆるやかな斜面になります。そのようなことから、土手などの土を盛るときは、地震によっても斜面崩壊が起こらないように土をゆるやかに盛ります。
 また、水を含むと安息角が変わり、山が崩れやすくなります。水の中に砂を落として山を作ると、空中での山よりずっとゆるやかな山になります。土を盛ったり逆に切り崩して、宅地や道路を造ることができます。そのときには、土の性質をよく調べて崩れにくい角度の斜面になるように工夫することが必要になります。