土は、土の粒子と、その間の隙間とでできています(「土にはすきまがいっぱい」を見て下さい)。土の粒子の詰まり方には、図-6のように最も緩く詰まった状態と最も密に詰まった状態とがあって、世の中の土はその間の詰まり方をしています。土が形を変えようとするとき、ミクロに見れば土の粒子の詰まり方を変える必要があります。もし、粒子が密に詰まった状態の土が詰まり方を変えるならば、「より緩い状態」に詰まり方を変えなくてはなりません(図-7)。ということは、土の間のすきまの体積(図では面積)が増えることになります。つまり、土は全体として膨らむことになります。
このように押さえる(形を変える)ときに体積が増える現象を、専門の言葉では「ダイレイタンシー」と言います。ダイレイタンシーとは、英語で「膨らむこと」という意味です。「ダイレイタンシー」は、土の強さを考える上で、とても重要な役割を果たします。
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図-6 緩く詰まった状態(左)と密に詰まった状態(右)の図 | 図-7 密の状態から形を変えようとするとより緩い状態になることがある図(左の密の状態に外から力を加えて形を変えようとすると、右の図のように粒と粒の間のすき間が広がってしまう。) |