(社団法人土木学会関西支部)


 本書は、「土」や「地盤」、さらには「土木建設」や「防災」をテーマとして、小中学校の「総合的な学習の時間」に使って頂くことを目的として作成したものです。私たちの生活は「土」、「地盤」の上に成り立っています。土木建設や防災の技術は、時には地盤の特性を利用し、時には地盤の特性と闘いながら培われてきたものです。本書は、簡単な実験で土や地盤の特性を知り、土木建設や防災の技術の一部を学んで頂くことを目指しています。10項目余の実験から構成されており、サイエンティフィックな実験(例えば、土のふしぎな現象を観察する実験)から、工学的・実学的な実験(例えば、建物の揺れと地盤の揺れを観察する実験)まで幅広い内容となっています。項目はそれぞれ独立していますので、どの実験から開始して頂いても結構です。

 誰でも幼い頃に砂場遊びや泥遊びをした経験があるでしょう。「土」はそもそも私たちの身近なものなのです。本書を使って頂くことにより、少しでも土や地盤、土木建設や防災への理解を深めて頂ければ幸いです。


「土」や「地盤」

土にはすきまがいっぱい

同じ体積なのに重さが違う?

波打ち際でお城がつくれるのはなぜ?

砂と水のマジック

水が土を持ち上げる

岩石の風化実験


「土木建設」や「防災」

斜面を平地にする

きつい斜面 ゆるい斜面

断層をつくろう

固い地震と軟らかい地盤

建物の揺れ方

地震が起こると ― 土の液状化