2007年度「土木の日」地方見学会 Q&A

〜当日&アンケートの質問にお答えします〜

Q.1 残土の使途。甲南PAの地盤高を上げるのに使用できなかったのか?
A. 高速道路は、工事で発生する土(切土)と、盛土をバランスよく計画することを原則としております。新名神は急峻な地形が多く、平面線形・縦断線形・施工性など総合的に勘案し計画した結果、残土が発生しました。
この残土は、近隣の公共事業である大戸川ダム工事の建設用の骨材にリサイクルを図る目的で、活用することとしています。
なお、甲南PAの地盤の嵩上げは、甲南ICの縦断線形に影響するため問題があります。
   
Q.2 PAとSAの違いは?
A. SAは、駐車場、園地、お手洗い、無料休憩所の他にレストラン、ガソリンスタンド、売店などを備えた休憩施設です。
PAは、駐車場、園地、お手洗いを備えた休憩施設で、売店やガソリンスタンドを設置する場合もあります。
   
Q.3 高速道路はいつ無料になるのですか?
A. 高速道路株式会社が発足した平成17年10月から45年以内とされています。
   
Q.4 近江大鳥橋は、日本で何番目くらい大きいのですか?
A. 近江大鳥橋は、長さが555mです。今回開通する新名神高速道路では、長さが1.池田高架橋1,463m、2.池山高架橋1,435m、3.錐ヶ瀧橋1,303m、4.隼人川橋708mがあり5番目です。
日本の高速道路では、1,000mを超える橋が数多くあり順位は不明です。
   
Q.5 全線開通は、いつになるのか?
A. 新名神の「大津市〜城陽市25km」と「八幡市〜高槻市10km」の区間は、第2回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)(平成18年2月)において、「当該区間については、主要なネットワークの供用後における交通状況を見て、改めて事業の着工について判断することとし、それまでは着工しない。
また、本区間の扱いについては、次回以降の国幹会議に報告する。」とされており、現時点においては全線開通の時期は未定です。
   
Q.6 全体の事業費。地元の反対はなかったのか?用地はスムーズに買えたのか?
A. 全体事業費(亀山JCT〜草津田上IC)は、約4,652億円です。
高速道路の建設にあたっては、測量・調査などを実施した後に、高速道路の構造・横断する道路や水路の付替えなどの計画平面図を作成し、道路・水路の管理者や地元の皆様と協議を行います。
協議は各地区毎に行い、地元の皆様からの要望などに対応するため、回数を重ね合意に至るまで行い、最終的に地元の皆様のご理解が得られましたので確認書を締結しました。
また、用地測量、物件調査の結果をもとに各地権者と用地補償交渉を行いました。補償交渉は最初の契約が平成8年7月から始まり、最後の1件が平成18年7月に調印できました。
   
Q.7 どの程度の期間で路面(アスファルト)の整備をするのか?ガードレールの代わりに石積みを使用しているところがあったが、夜間に見にくいのではないか?
A. 舗装の期間は、下からセメント安定処理路盤工で約2ヶ月、アスファルト安定処理路盤工で約2ヶ月、アスファルト基層工で約1ヶ月、アスファルト表層工で約1ヶ月を要しています。
新名神高速道路では、視線誘導として、レーンマークを通常20cm幅のものを30cmに拡げるとともに、レーンマークの外側にはデリニエータも設置しており、視認性を向上させることで、安全対策に取り組んでおります。
   
Q.8 本線−ランプの出入口がPAとICで共用しているのを初めて見たのですが、これは既に各地でもうけられているものでしょうか?
A. ICとSA・PAが併設された施設は、他にもあります。
滋賀県では、名神高速道路の大津SAが同じような構造になっています。
   
Q.9 エクストラドーズド橋の構造とか、波型鋼板ウェブの採用理由とか?
A. エクストラドーズド橋は、桁橋と斜張橋との間を補完する新しい構造形式です。斜張橋は主塔の高さが比較的高く橋桁をケーブルで吊り上げる構造、エクストラドーズド橋は主塔の高さが低くケーブルで吊り上げながら橋桁にプレストレス(圧縮軸力)を与える構造と定義できます。
近江大鳥橋は、県立自然公園内にあり西側の斜面には貴重植物が自生していたため斜面上への橋脚配置をやめて地形の改変を抑えて現状保存とした結果、側径間が150mとなり桁橋の限界を超えたことからエクストラドーズド橋を採用しました。
プレストレストコンクリート箱桁橋は、従来は全てコンクリートでできていましたがウェブ(腹板)に軽量な波形鋼板を採用して桁自重を軽くすることにより長支間化が可能となること、また軽量化に伴い下部工・基礎工への荷重負担を軽減することができます。
   
Q.10 後日、片側2車線を3車線に拡幅する工事のむずかしさはいかほどか?
A. 供用中の道路の拡幅工事は、車線規制や路肩規制及び交通安全対策など、高速道路をご利用いただくお客様の安全性を十分配慮しながら施工しなければなりません。
過去に東名高速道路や名神高速道路などで拡幅した事例があります。
   
Q.11 はじめて参加しましたが、開通する前に見学会を行っているのですか?
A. この見学会は、「土木の日」関連行事関西地区連絡会地方見学会(土木学会関西支部)が主催する見学会です。連絡会では、毎年1回、滋賀県、和歌山県、福井県、奈良県の順で、地方見学会を開催しており、今回は滋賀県の順番にあたります。
連絡会では、皆様に楽しんでいただけるよう、種々検討のうえ、見学先を決定しておりますが、今回は、部分開通が間近ということで、新名神高速道路を見学していただくことにしました。
   
Q.12 今後の見学会の日程を知りたい?
A. ホームページをご覧いただくか、学会までお問い合わせください。
また、インターネットでご応募いただいた際、「お知らせメールの送信」を希望された方には、見学会などの案内をメールでお知らせしています。
   
※Q1からQ10については、見学先のNEXCO西日本様に、回答いただきました。

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